T-55

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2010/02/24(水)
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T-55ロシア語:Т-55)は、ソ連で開発された中戦車である。史上最も生産台数が多い戦車といわれており、ほぼ同じ形状のT-54も含めると、その数は 10万輌を超えるといわれている。1958年に登場し、1970年代後半まで生産された。冷戦時代、東側諸国を中心に主力戦車として使用された。T-54とひとまとめにされてT-54/55と表記されることも多い。

概要

T-54 の開発

ハリコフ設計局により作られたT-44をベースに、 100mm砲を無理なく搭載できる新型砲塔を装備したものがT-54である。試作に終わったT-43以来の大直径転輪+トーションバー・サスペンションの足回りと、前作T-44 同様の車体上部とシャーシが一体の箱型車体を持つ。1946年に完成した試作車の砲塔は算盤の弾がゆがんだような形状で、下半分に命中弾を弱い砲塔リングや車体上部に導いてしまうショットトラップがあるのが問題だった。先行生産型の48年型では砲塔が大きくなり、後の量産型のようなお椀型に近づいたが、まだ後部にせり上がったショットトラップを残していた。50年型よりよく知られる量産型の砲塔となり、以後T-54A、B、M(以上、NATOでの分類)と改良され、主力戦車の座についた。

T-55への発展

T-55はT-54を改良したもので、NBC防御用のPAZシステムを標準装備し、エンジンの馬力も向上、クラッチ操作を空気圧で助ける動力サポート機構が追加されている。燃料と砲弾の搭載量も増し、砲塔下部に装填手のためのターンテーブルが増設された。また対空機銃(ジェット機時代となり、命中させにくい)とT-44以来の車体前方固定機銃(実用性に乏しい)の二つは、前者は一旦廃止されながらも後に対攻撃ヘリ用として有効と判断されT-55Aより復活、後者は逆に廃止されている。さらにT-55B以降ではアクティブ赤外線暗視装置が標準装備となった。T-54とT-55は外見は良く似ているが、砲塔上の換気扇カバー(ベンチレータードーム)の有無で簡単に識別できる。

運用

T-54/55は冷戦時代を代表する戦車であり、多くの紛争に用いられた。中東戦争ではソ連が軍事援助していたアラブ側の主力戦車としてチェコスロヴァキア製のT-54/55が使用された。また、大量に鹵獲したイスラエル軍も独自の改修を加えてTiran-4/5(Ti-67ともいう)として主砲を105mmL7A1に変更、砲塔上の機銃を増設するなど改造を加え使用、その後は海外に売却されたり、重装甲のアチザリット兵員輸送車に改修された。

低いシルエットと避弾経始の良さ・強力な武装・良好な機動性により、T-54/55は登場当時最強・最優秀戦車と呼ばれて西側から極めて恐れられたが、その評判は一連の中東戦争でイスラエル国防軍が運用する西側戦車に対し苦戦を強いられたことから徐々に低下していき、イスラエルからアメリカなどに引き渡された実物の性能試験によって実際の性能も白日の下にさらされることになった。

車内が狭いために乗員の疲労度は相当なものであり、主砲の発射速度の低下を招いた。また車内に隙間無く砲弾が納めてあり、貫通弾により簡単に爆発した。さらに光学装置は第二次大戦当時と同じでお世辞にも良好とは言い難く、遠距離砲撃の命中精度が低かった。工作精度が西側に比べると劣悪で、ギアチェンジが非常に固くレバーを叩くためのハンマーが車内に装備されている(英ボービントン戦車博物館で、所蔵車輌の自走中にバックギアの戻しを失敗して駐車場の車を数台踏み潰した事がある)。そのためエンジン等機械の寿命が西側戦車に比べるとかなり短かったが、チェコとポーランドで生産されたものは、ソ連製に比べ工作精度や仕上げが良かったという。ソ連ではT-54/55の失敗から自動装填装置の必要性が認識され、使用する砲弾の威力不足も指摘された。

戦歴

T-55は以下の戦争・紛争でT-54とともに用いられた。

* ローデシア紛争
o ソ連の支援を受けたZAPUが運用し、後には中国の支援を受けたZANUも59式を運用した。これらの車輌を捕獲したローデシア政府軍も戦車を保有していなかったため、戦力として運用した。

* 第三次中東戦争
o シリアとエジプトが運用するが大敗し、数百輌のT-54/55がイスラエルに鹵獲された。

* プラハの春
o ソビエト連邦、ポーランド、東ドイツ、ブルガリア、ハンガリーで構成されるワルシャワ条約機構軍が運用。チェコスロバキア軍も装備していたが、これらの国への反撃は行われていない。

* 中ソ国境紛争
o ソ連軍が使用し、中国人民解放軍も59式戦車を投入した。

* 第三次印パ戦争(バングラデシュ独立戦争)
o インド軍が運用。パキスタン軍も59式戦車を投入した。

* 第四次中東戦争
o エジプトとシリアが主に運用するが、イスラエルも第三次中東戦争で鹵獲した車輌を改修したTiran-4/5(Ti-67)を主にシナイ半島におけるエジプトとの戦闘で投入したほか、さらに多くのT-54/55を鹵獲している。

* アンゴラ内戦
o アンゴラ軍とキューバ軍が運用。

* レバノン内戦
o シリア軍が主に運用するが、反シリアのレバノン軍団や南レバノン軍も、イスラエルから供与されたTiran-4/5を運用した。また、1980年代後半には、分裂状態にあったレバノン国軍のアウン派部隊(反シリア)に対し、イラクがイラン・イラク戦争後に余剰となったT-54/55を供与した。内戦終結後もシリア主導によって再統合された国軍で運用が続けられており、M-48/47とともに主力戦車となっている。運用されているT-54/55の多くが、機銃をブローニングM2に換装されるなど小改造が施されている。また、爆発反応装甲も未装備であると見られる。

* オガデン戦争
o ソマリア軍とエチオピア軍の両方が運用。

* 中越戦争
o ベトナム人民軍が中国製の59式戦車と共に運用し、中国人民解放軍も59式戦車や69式戦車を投入した。

* アフガニスタン紛争 (1978年-1989年)
o ソビエト連邦軍と当時のアフガニスタン政府軍が運用。ソ連撤退後に勃発したアフガニスタン内戦では各地の軍閥が旧政府軍の車輌を使用しており、ターリバーンや北部同盟も保有していた。アメリカ軍の介入と時期を合わせて、北部同盟はロシアから改めてT-55をT-62と共に供与され新生アフガニスタン政府軍も装備している。

* イラン・イラク戦争
o イランとイラクの双方が、中国製の59式戦車や69/79式戦車を共に運用した。

* スリランカ内戦
o スリランカ政府軍が59式戦車と共に運用。

* 湾岸戦争
o イラク軍が中国製の59式戦車や69/79式戦車と共に運用するが、米軍のM1A1エイブラムスに一方的に撃破され、2003年のイラク戦争でもほぼ一方的に撃破された。

* ナゴルノ・カラバフ戦争
o アルメニアとアゼルバイジャンの双方が運用。

* ユーゴスラビア紛争
o ユーゴスラビア人民軍の制式装備であったこともあり、スロベニア独立戦争、クロアチア紛争やボスニア・ヘルツェゴビナ紛争、コソボ紛争、マケドニア紛争で運用されている。スロベニア独立戦争やコソボ紛争ではユーゴ連邦軍が主に運用し、マケドニア紛争ではマケドニア政府軍が主に運用していたが、クロアチア紛争やボスニア・ヘルツェゴビナ紛争では紛争当事者のほぼすべてが運用している。

* チェチェン紛争
o ロシア連邦軍やロシア国内軍が主に運用している。

* エチオピア・エリトリア国境紛争
o エチオピアとエリトリアの双方が運用。

* 第一次コンゴ内戦(1996年~1997年)
o モブツ・セセ・セコ政権時代のザイール政府軍が運用。

* 第二次コンゴ内戦(1998年~2002年)
o コンゴ政府軍以外にも多くの反政府勢力や、この内戦に介入したアンゴラ、ナミビア、ジンバブエ、チャド、ウガンダ、ルワンダの軍隊が運用した。 アンゴラとナミビア、ジンバブエは59式戦車も装備している。

* ソマリア内戦#エチオピア軍侵攻
o 2006年から暫定政府を擁護してイスラム法廷会議に攻勢をかけたエチオピア軍が運用。

現状

現在では旧式化しているが、整備や運用が簡単であるため途上国や武装勢力でも運用が容易であり広く利用されている。第三世界では多くがそのままで、また東欧諸国では改修が行われ、使い続けられている。湾岸・イラク戦争でも中国製と合わせイラク軍の主力戦車として使用された。近年の改修型としては、ウクライナのT-55AHM(T-55AGM;輸出向け)、スロヴェニアが自国で運用するM-55Sなどがある。

また、ポーランド、チェコスロバキア、中華人民共和国でライセンス生産がおこなわれている。中国ではT-54の50年型のコピーが「59式戦車」と呼ばれ、後にソ連と対立状態になったことで技術の供与が受けられなくなったことから独自の改修が繰り返され、69/79式戦車へと発展した。また59式戦車をそのままスケールダウンしたような62式軽戦車も開発された。長い間内戦状態にあったアフガニスタンでは、ターリバーンや北部同盟など各勢力が各々T-55/54を運用しており、アメリカのアフガニスタン侵攻の際、メディアに幾度となく登場することとなった。

性能諸元

全長 9.2 m
車体長 6.45 m
全幅 3.27 m
全高 2.35 m
重量 36 t
懸架方式 トーションバー方式
速度 50 km/h(整地)
    35 km/h(不整地)
行動距離 約460 km
主砲 56口径100mmライフル砲 D-10T
副武装 12.7mm機関銃
    7.62mm機関銃
装甲 防盾210 mm
    砲塔側面110mm 後面60mm
    砲塔上面30mm
    車体前面上・下部100mm
    車体側面上部80mm
    車体側面下部20mm
    車体上面33mm 底面20mm
エンジン V2-55 12気筒液冷ディーゼル
    580 馬力
乗員 4 名

さらに詳しく → T-55  中戦車



1/35 MM ソビエト戦車T-55A 352571/35 MM ソビエト戦車T-55A 35257
(2002/12/18)
タミヤ

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タグ : 戦車 中戦車 T-55 T55 ロシア 主力戦車

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