川崎 三式戦闘機 飛燕(Kawasaki Ki-61、Hien)

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2009/12/13(日)
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三式戦闘機(さんしきせんとうき)は第二次世界大戦時の大日本帝国陸軍の戦闘機。試作名称(機体計画番号。キ番号)はキ61。愛称は飛燕(ひえん)。呼称・略称は三式戦、ロクイチ。連合軍のコードネームはTony(トニー)。開発・製造は川崎航空機。設計主務者は土井武夫。制式名称である三式戦闘機という呼称は皇紀2603年(1943年、昭和18年)に制式採用されたことに由来する。連合軍のコードネームのTony(トニー)は、アメリカではイタリア系移民の典型的な名前とされ、当初、本機をイタリア空軍のマッキMC.202戦闘機のコピー機と誤認したことと、三式=Three(スリー)の頭文字に因んで名づけられた。

設計コンセプトは、重戦、軽戦にこだわらない万能戦闘機であった。旋回性能を良くするには旋回半径を小さくするより旋回率を高めたほうが効果的であるという思想の下に、翼面荷重ではなく翼幅荷重を低くする設計に努め、高アスペクト比の主翼を採用した独特のスマートな容姿となった。また、水冷エンジンを搭載したおかげで、機体表面の空力が向上し、胴体断面が縦長になったこともあって、3舵のバランスに優れた設計となった。機体の分割を減らして、強度と軽量化の両立を図ったのも特長で、主翼は左右一体、その上に載った胴体もエンジン架から尾翼直前まで一体構造となっている。そのためにエンジン周りの整備性が犠牲となっている。

太平洋戦争(大東亜戦争)に参加した陸軍戦闘機の中では唯一の水冷エンジン(液冷エンジン)であるハ40を搭載する戦闘機であり、空冷エンジンが主力であった日本陸海軍機の中では特に突出したスマートなデザインから「和製メッサーシュミット(和製メッサー)」とも呼ばれた。しかし、エンジンとのちに搭載されるMG 151機関砲以外はメッサーシュミットBf109とは全くの別設計で、機体設計は勿論、左右一体型の主翼と胴体の接合法、ラジエター配置、主脚構造などが大きく異なり、むしろ内部構造的には共通点が少ない。

四式戦闘機「疾風」等には及ばないものの、当時の日本軍戦闘機の中では優れた速度性能を持ち、また水冷エンジンを採用しているため高高度での性能低下が小さかった本機は、武装の全部、もしくは一部と防弾装備の装甲板を取り外して軽量化する事で、高度8,000m以上の高空を飛行するB-29に対して、二式複座戦闘機「屠龍」や二式単戦と共に迎撃戦が可能な数少ない機体として、一定の戦果を収めた。

アメリカ合衆国側による評価では、運動性に関しては低速旋回性能はいいが、高速で舵が重いという、他の日本機と同様のものである。川崎はより高速で旋回できたほうが強い戦闘機になると判断し、そのため旋回率を高めるべく設計したのだが、米国機との比較では必ずしも目的は達成できていなかった事になる。むしろ旋回半径が小さいという米国機に対する長所をそぐ事になり、米軍戦闘機との対戦では相性を悪くする結果となった。また機体重量に比べ、ハ40ではやや非力なため、水平加速や上昇力が低く、この面でも米国機との相性を悪くしてしまった。

ハ40は、DB601をコピーする際、戦略物資の使用制限のため、陸軍からの指示もあってクランクシャフトの材料からニッケルを外さざるを得ず、強度不足からよく折損事故を起こした。ドイツから工作機械の導入ができず、クランクシャフトは本来型鍛造で作るべきものを切削加工で作ったものも相当数あり、これも原因と考えられる。工作精度もオリジナルに比べれば許容公差で1~2桁ほど妥協しており、ベアリングの破損など部品の不良に起因する故障も多発した。エンジンと共に本機のもう一つの欠陥になったのがラジエターで、胴体下に冷却液のラジエターとオイルクーラーが同居しているため、離陸時の風量調整操作が難しく、よくオーバーヒートした。また、オイル配管をエンジンから遠い機体下面まで取り回したせいで、しばしば配管の各所からオイル漏れが生じることとなった。

三式戦「飛燕」の現存機体は、知覧特攻平和会館にて屋内展示されている二型改が存在する。この機体は大戦当時陸軍航空審査部所属であり、終戦直後に米軍に接収され、のちに日本航空協会に譲渡されたものである。現在、良好な状態で原形をとどめるものとしては世界で唯一である。


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さらに詳しく → 三式戦闘機  水冷エンジン



三式戦「飛燕」・五式戦―キ六○に端を発してキ一○○に至る大戦期液冷発動機装備戦闘機の系譜 (歴史群像 太平洋戦史シリーズ Vol. 61)三式戦「飛燕」・五式戦―キ六○に端を発してキ一○○に至る大戦期液冷発動機装備戦闘機の系譜 (歴史群像 太平洋戦史シリーズ Vol. 61)
(2007/09)
不明

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